こんな感じです。
それにしても今年の冬は寒いです。
2015年7月11日土曜日
2015年5月30日土曜日
仕上げ洗い (ウール・カシミア編)
仕上げ洗いは日常の洗濯と違い、機から降ろした網のような物を布に仕上げる織の最終段階です。手紬・手染めの場合は特に汚れ、油分、余分な染料などを除く目的もありますが、ウールやカシミアの場合繊維の本来の縮む性質を利用して多少フェルト化させます。カシミアは動物性繊維の中でも比較的縮まないほうなので写真では劇的な結果をお見せできませんが、それでも布の表面が水をはじくところまで「加工」します。写真は複数のカシミアの作品を縮絨した時撮りましたので作品がコロコロ変わります。
私は洗い、アイロン、そして乾かしている間、常に経糸緯糸が「平行・垂直」になるよう、これが崩れないよう気を付けています。
1) 機から降ろした作品を一日二日休ませ、織り間違えの修正、フリンジなど仕上げをします。
2) シンク又は容器に蛇口から出てくる一番熱いお湯を入れます。我が家では54C前後です。ゴム手袋をし、毛糸用洗剤又はシャンプーを混ぜます。量は通常の手洗い程度、特に脂っぽい繊維を使った時は少し濃いめにします。油の付いたままの原毛を使った時は台所用の洗剤で油を落とす時もあります。
3) お湯を止め洗剤を十分溶かし、作品をたたんでお湯の中にそっと載せ、そのまま繊維が石鹸水を吸い込んで沈むまで待ちます。そっと手で押して沈めても結構ですが、急がずゆっくり沈めます。そのまましばらく放っておいても構いません。繊維が完全に石鹸水を吸収し沈むまで待ちます。
4) お湯の中で押し洗いします。洗うというより、押して繊維から石鹸水を出し、手を放して繊維に石鹸水を吸わせるという繰り返しです。なるべく掌、手の甲を使います。
5) 小さい作品は掌と掌の間に挟んで、大きいものは石鹸水を捨ててから作品を押して水を切ります。
6) シンク・容器に蛇口から出てくる一番冷たい水を入れ、一杯になったら水を止めて作品を入れ、押し洗いします。形を崩さないよう留意しながら、石鹸水の時よりも多少作品を荒く扱っても大丈夫です。水の中で作品を広げたり、畳んだりして、違う部分を押します。又、糸を染める時のように手または指をまっすぐにし、その上に作品をかけて水から出したり、沈めたりする時もあります。(下の写真は片手ですが、通常指先と指先をつなげて両手を使います。染同様棒を使ってもいいでしょう。)
お湯・水が局部的に当たると、そこだけ縮絨の加減が変わりますから、ここまでは作品を蛇口から出てくるお湯・水に直接触れないように留意します。4) ・6)の段階でどれくらい長く押し洗いをするかは作品・繊維・作家によりますが、この時点ではまだ繊維はあからさまには見かけは変わりませんので、繊維が十分お湯・冷水を含んで水温が低下・上昇するまでを目安にします。
7) 小さい作品は掌と掌の間に挟んで、大きいものは冷水を捨ててから作品を押して水を切ります。
8) シンク・容器に蛇口から出てくる一番熱いお湯を入れ作品を入れ洗います。ウール・カシミアは急な温度の変化と摩擦により縮絨しますので4) ・6)より荒く扱買って構いませんが、縮絨は逆戻りができないので、ゆっくり急がず洗います。
この段階で多少お湯を出しながら洗うこともありますが、この時は作品に直接、局部的にお湯が当たらないよう注意します。通常この時点で作品の表情が変わってきます。母はこれを「布の表面に水玉が転がる」と表現します。また染料、毛足の短い繊維、(私の使うポッサムは特に頻繁に、)ゴミなどが沢山出ます。これものぞけるものは除いて洗います。
9) 小さい作品は掌と掌の間に挟んで、大きいものは温水を捨ててから作品を押すか、洗濯機で軽く脱水し、水を軽く切ります。
10) シンク・容器に蛇口から出てくる一番冷たい水を入れ、ウールの場合はお酢を少々足し、一杯になったら水を止めて作品を入れ、押し洗いします。水の中で作品を広げたり、畳んだりして、違う部分を押します。又、糸を染める時のように手または指をまっす ぐにし、その上に作品をかけて水から出したり、沈めたりする時もあります。蛇口から水を少量出したまま、丁寧にゆすぎます。
11) 小さい作品は掌と掌の間に挟んで、大きいものは冷水を捨ててから作品を押し、水を切ります。作品の形を崩さないよう畳むというより巻き、作品によってはバスタオルなどで包み、洗濯機で脱水します。大きいものは途中で洗濯機を止め、包み直して脱水を続けます。
12) 通常これで縮絨・仕上げ洗いは終了ですか、縮絨が足りない場合、8)から11)を繰り返します。
13) 作品の形が崩れないようアイロン台に載せ、アイロンはスチーム出力最大、 熱めの温度で日本手ぬぐいのような当て布の上から押すようにかけます。当て布の上でアイロンを滑らさず、アイロンを持ち上げ軽く押すようにアイロンの位置を動かしていきます。A面をプレスしたら、B面も同じようにプレスします。
14) 作品によって当て布を外し、そのまま最大のスチームでプレスする場合もあります。形が歪んでいる部分はやさしくひっぱりながらアイロンをすると歪みが多少取れることもあります。アイロンは作品の上で滑らさず、やさしく抑えるようにかけます。
15) 我が家では生乾きの作品をウールの絨毯の上に形を整えながら広げて乾かします。実家ではバスタオルを床に広げ、その上に作品を置きました。どうしてもしわがあったり形が格好悪い場合、ウールの絨毯やタオルの上からさらにスチームアイロンを掛けることもあります。
16) 乾くまで十分ほったらかしにします。乾いたらもう一度、ほつれ、無駄な糸が出ていないかなど見直します。フリンジの先もきれいに切りなおします。
手順は決して一通りではなく、最適の結果も作意、目的、糸・作品の種類・大きさ、手持ちの道具、好みなどにより変わりますので、実験をお勧めします。
お恥ずかしい限りですが、上の写真の白黒の作品は縮絨に関連にした大事なレッスン。急いで織った作品で、白とグレーの緯糸が同じカシミア100%だと思い込んで織りあげ何も考えずに洗ってみて思い出しました。白はカシミア・シルクで縮絨の率が違います。さらに残念なのは同じグレーのカシミア・シルクも持っていたという点です。ペケ。
最近はニュージーランドと言えどもスケール、(表面の鱗状のひだで、これが縮絨を可能にする、)の付いたウールが手に入らなく、変わって洗濯機で洗えるスーパーウォッシュばかり出回るようになりました。結果仕上げ洗いも変わり、最近は洗濯機を使って縮絨という作家も大勢おられますが、私はウール・カシミアでは未だ洗濯機を使ったことはありません。
これはあくまでも仕上げ洗いのお話ですので、作品を使い始めたら、通常のように低温で丁寧にウール洗いで押し洗いしてください。
2006年に大型のウールの作品の縮絨を英語版に載せました。オーストラリアのHPで、ウールの特性について日本語の説明があります。又、友人がここにウールとカシミアの違いを説明しています。
私は洗い、アイロン、そして乾かしている間、常に経糸緯糸が「平行・垂直」になるよう、これが崩れないよう気を付けています。
1) 機から降ろした作品を一日二日休ませ、織り間違えの修正、フリンジなど仕上げをします。
2) シンク又は容器に蛇口から出てくる一番熱いお湯を入れます。我が家では54C前後です。ゴム手袋をし、毛糸用洗剤又はシャンプーを混ぜます。量は通常の手洗い程度、特に脂っぽい繊維を使った時は少し濃いめにします。油の付いたままの原毛を使った時は台所用の洗剤で油を落とす時もあります。
3) お湯を止め洗剤を十分溶かし、作品をたたんでお湯の中にそっと載せ、そのまま繊維が石鹸水を吸い込んで沈むまで待ちます。そっと手で押して沈めても結構ですが、急がずゆっくり沈めます。そのまましばらく放っておいても構いません。繊維が完全に石鹸水を吸収し沈むまで待ちます。
4) お湯の中で押し洗いします。洗うというより、押して繊維から石鹸水を出し、手を放して繊維に石鹸水を吸わせるという繰り返しです。なるべく掌、手の甲を使います。
5) 小さい作品は掌と掌の間に挟んで、大きいものは石鹸水を捨ててから作品を押して水を切ります。
6) シンク・容器に蛇口から出てくる一番冷たい水を入れ、一杯になったら水を止めて作品を入れ、押し洗いします。形を崩さないよう留意しながら、石鹸水の時よりも多少作品を荒く扱っても大丈夫です。水の中で作品を広げたり、畳んだりして、違う部分を押します。又、糸を染める時のように手または指をまっすぐにし、その上に作品をかけて水から出したり、沈めたりする時もあります。(下の写真は片手ですが、通常指先と指先をつなげて両手を使います。染同様棒を使ってもいいでしょう。)
お湯・水が局部的に当たると、そこだけ縮絨の加減が変わりますから、ここまでは作品を蛇口から出てくるお湯・水に直接触れないように留意します。4) ・6)の段階でどれくらい長く押し洗いをするかは作品・繊維・作家によりますが、この時点ではまだ繊維はあからさまには見かけは変わりませんので、繊維が十分お湯・冷水を含んで水温が低下・上昇するまでを目安にします。
7) 小さい作品は掌と掌の間に挟んで、大きいものは冷水を捨ててから作品を押して水を切ります。
8) シンク・容器に蛇口から出てくる一番熱いお湯を入れ作品を入れ洗います。ウール・カシミアは急な温度の変化と摩擦により縮絨しますので4) ・6)より荒く扱買って構いませんが、縮絨は逆戻りができないので、ゆっくり急がず洗います。
この段階で多少お湯を出しながら洗うこともありますが、この時は作品に直接、局部的にお湯が当たらないよう注意します。通常この時点で作品の表情が変わってきます。母はこれを「布の表面に水玉が転がる」と表現します。また染料、毛足の短い繊維、(私の使うポッサムは特に頻繁に、)ゴミなどが沢山出ます。これものぞけるものは除いて洗います。
9) 小さい作品は掌と掌の間に挟んで、大きいものは温水を捨ててから作品を押すか、洗濯機で軽く脱水し、水を軽く切ります。
10) シンク・容器に蛇口から出てくる一番冷たい水を入れ、ウールの場合はお酢を少々足し、一杯になったら水を止めて作品を入れ、押し洗いします。水の中で作品を広げたり、畳んだりして、違う部分を押します。又、糸を染める時のように手または指をまっす ぐにし、その上に作品をかけて水から出したり、沈めたりする時もあります。蛇口から水を少量出したまま、丁寧にゆすぎます。
11) 小さい作品は掌と掌の間に挟んで、大きいものは冷水を捨ててから作品を押し、水を切ります。作品の形を崩さないよう畳むというより巻き、作品によってはバスタオルなどで包み、洗濯機で脱水します。大きいものは途中で洗濯機を止め、包み直して脱水を続けます。
12) 通常これで縮絨・仕上げ洗いは終了ですか、縮絨が足りない場合、8)から11)を繰り返します。
13) 作品の形が崩れないようアイロン台に載せ、アイロンはスチーム出力最大、 熱めの温度で日本手ぬぐいのような当て布の上から押すようにかけます。当て布の上でアイロンを滑らさず、アイロンを持ち上げ軽く押すようにアイロンの位置を動かしていきます。A面をプレスしたら、B面も同じようにプレスします。
14) 作品によって当て布を外し、そのまま最大のスチームでプレスする場合もあります。形が歪んでいる部分はやさしくひっぱりながらアイロンをすると歪みが多少取れることもあります。アイロンは作品の上で滑らさず、やさしく抑えるようにかけます。
15) 我が家では生乾きの作品をウールの絨毯の上に形を整えながら広げて乾かします。実家ではバスタオルを床に広げ、その上に作品を置きました。どうしてもしわがあったり形が格好悪い場合、ウールの絨毯やタオルの上からさらにスチームアイロンを掛けることもあります。
16) 乾くまで十分ほったらかしにします。乾いたらもう一度、ほつれ、無駄な糸が出ていないかなど見直します。フリンジの先もきれいに切りなおします。
手順は決して一通りではなく、最適の結果も作意、目的、糸・作品の種類・大きさ、手持ちの道具、好みなどにより変わりますので、実験をお勧めします。
お恥ずかしい限りですが、上の写真の白黒の作品は縮絨に関連にした大事なレッスン。急いで織った作品で、白とグレーの緯糸が同じカシミア100%だと思い込んで織りあげ何も考えずに洗ってみて思い出しました。白はカシミア・シルクで縮絨の率が違います。さらに残念なのは同じグレーのカシミア・シルクも持っていたという点です。ペケ。
最近はニュージーランドと言えどもスケール、(表面の鱗状のひだで、これが縮絨を可能にする、)の付いたウールが手に入らなく、変わって洗濯機で洗えるスーパーウォッシュばかり出回るようになりました。結果仕上げ洗いも変わり、最近は洗濯機を使って縮絨という作家も大勢おられますが、私はウール・カシミアでは未だ洗濯機を使ったことはありません。
これはあくまでも仕上げ洗いのお話ですので、作品を使い始めたら、通常のように低温で丁寧にウール洗いで押し洗いしてください。
2006年に大型のウールの作品の縮絨を英語版に載せました。オーストラリアのHPで、ウールの特性について日本語の説明があります。又、友人がここにウールとカシミアの違いを説明しています。
2015年2月25日水曜日
2014年12月23日火曜日
縦糸密度(Sett)の例
私が縦糸密度を一番研究するのはカシミアですので、古ーい試織の端切れを少しお見せしようと思います。試織ですので、緯糸が飛び出していたり、経糸に結び目があったりと、「個性的」ですが、説明には差し支えないと思います。縦糸はすべてカシミア100%の26番双糸です。
縦糸が密な部分が12EPI、隙々の部分が6EPIの平織ですが、洗った後の特に緯糸のふっくら具合にご注目ください。
左が15EPIで平織、右が12EPIでほぼ平織です。左はカシミアの繊維が広がっていないのでつるんとした感じ、右はふんわり、ホンワカした感じです。
両方15EPIで左は平織、右は1:3と3:1の綾(twill)です。左は薄っぺらい感じ、右は肉厚な感じがします。この右のサンプルは、上の右のサンプルと同じような糸を使いましたが、カシミアの繊維の広がり具合は全く違うのもご覧ください。
これは同じ経糸で3本織った時のサンプルです。綾(twill)が不規則なのと、出来上がり幅が太めだったのでしっかりしたものを織りたいと思い、18EPIにしました。目の細かい左の、特にカシミア・シルク混紡を使った下の部分が少し筋っぽい感じがします。右は最終的には20番双糸の緯糸を使ったように記憶します。
この2本は今までになく幅広だったのと、過去にウールや綿で織っていた柄を使ってみたかったので18EPIと15EPIと両方試織しました。ここでは左が15EPI、右が18EPだったように記憶します。
最後になりましたが、両方とも12EPIで2/2の綾(twill)です。左は経糸緯糸が両方ともふっくら広がり空気のように軽い布に出来上がりました。右は初めてカシミアを試織した時のもので、12EPIがあまりスカスカだったので緯糸を詰めすぎてしまいました。また、仕上げ洗いの温度が低すぎ、繊維がきちんと広がりませんでした。
ということで次回は仕上げ洗いのお話をしましょう。
縦糸が密な部分が12EPI、隙々の部分が6EPIの平織ですが、洗った後の特に緯糸のふっくら具合にご注目ください。
左が15EPIで平織、右が12EPIでほぼ平織です。左はカシミアの繊維が広がっていないのでつるんとした感じ、右はふんわり、ホンワカした感じです。
両方15EPIで左は平織、右は1:3と3:1の綾(twill)です。左は薄っぺらい感じ、右は肉厚な感じがします。この右のサンプルは、上の右のサンプルと同じような糸を使いましたが、カシミアの繊維の広がり具合は全く違うのもご覧ください。
これは同じ経糸で3本織った時のサンプルです。綾(twill)が不規則なのと、出来上がり幅が太めだったのでしっかりしたものを織りたいと思い、18EPIにしました。目の細かい左の、特にカシミア・シルク混紡を使った下の部分が少し筋っぽい感じがします。右は最終的には20番双糸の緯糸を使ったように記憶します。
この2本は今までになく幅広だったのと、過去にウールや綿で織っていた柄を使ってみたかったので18EPIと15EPIと両方試織しました。ここでは左が15EPI、右が18EPだったように記憶します。
最後になりましたが、両方とも12EPIで2/2の綾(twill)です。左は経糸緯糸が両方ともふっくら広がり空気のように軽い布に出来上がりました。右は初めてカシミアを試織した時のもので、12EPIがあまりスカスカだったので緯糸を詰めすぎてしまいました。また、仕上げ洗いの温度が低すぎ、繊維がきちんと広がりませんでした。
ということで次回は仕上げ洗いのお話をしましょう。
2014年12月22日月曜日
縦糸密度(Sett)について
筬の目に経糸を一本づつ入れていく場合は筬密度と同じことになりますが、そうでない場合もありますのでここでは縦糸密度としましょう。英語ではtが二つのsettと呼びます。
アメリカ以外ではメートル法で1cmまたは10cmに経糸が何本と表示するのが基本のようですが、a)英語圏では比較的最近までヤード・ポンド法(またはインペリアル法)も使っていた、b)出版物は過去にはアメリカのものが国際的に出回ることが多かった、または英語に翻訳する時点で換算された、c)ショッピングを含めてインターネットの普及はアメリカが早かったので、当初ネットで購入できる筬はヤード・ポンド法で表示されていた、といった理由で英語圏では布の幅と縦糸密度をインチで、長さをセンチ・メートルで表現する作家が大勢います。私もその一人です。
DPIはdents per inchで1インチの筬目の数を示す筬密度、EPIはends per inchで1インチに経糸(warp ends)を何本入れるかを示す縦糸密度です。私の大きい機はほぼ恒久的に6DPIの筬が付いていて、綿の20番双糸は36EPIか42EPI、メリノの18番双糸は18EPI、カシミアの26番双糸は12EPI、15EPI、18EPI と目的ごとに変えて織ります。換算の目安は、インチ表示のほぼ2/5の数値が1cmの縦糸密度、ほぼ4倍が10cmの縦糸密度です。
Interweave社はあらゆる糸の平均的な経糸密度を本にして売ってもいますが、密度は比較的簡単に割り出せるものですのでここでご説明します。
物差し又は硬い紙などに1-5cmの目盛りを書いたものに、経糸に使いたい糸を巻きます。どれ位しっかり又はゆっくり巻くかが鍵となるので、落ち着いて同じ調子で、両隣にぴったりくっ付いて並ぶけれど も窮屈でないよう心掛けてください。
細い糸なら2cm度、太い糸なら3cm~5cm程度巻くと、巻き方が少し不均等でも平均値が出ますので安心です。また写真のように太さが不均等な糸も長めに巻くと平均値が使えます。面倒でなければ長めに巻くことお勧めします。
XcmでY周したらY/Xが1cmあたり何周するかわかります。これをQとしましょう。上の例では2cmで11本、Qは5.5、私にとっては1インチでほぼ12周、Qは12です。
平織は一番頻繁に縦糸と緯糸が交差しますので縦糸密度の一番ゆるい織、基本はQ/2で、この例では1cmに2.5本、もしくは10cmに24本あたりでしょう。私は6EPIから試織します。綾織 (twill) の基本は2:2の綾 (2本上がって2本下がる)でQの2/3ですが、綾の割合が大きくなるにつれ、(例えば3:5)、 交差する頻度が減るので縦糸密度を高くします。上の例では単純に計算するだけですと、2/2なら1cmに3本位、もしくは10cmで32本位、私は8EPI位から試織です。
ところが、ここからが個性の出しどころなんです。素材、形状、用途、大きさ、機、組織の種類を考慮に入れて縦糸密度を微妙に変えることにより、個性的なものが織れるんです。最適な縦糸密度を算出するには試織が一番ですが、デザインをする過程で何を作るのか、どういった仕上がりを想定しているかを少し考えるだけでイメージ・アイディアが浮かんでくるはずです。
たとえば縦糸をびっちり詰め緯糸が隠れるように織るラグのスタイルがあります。(経糸を隙々に入れ横糸をしっかり、ばっちり入れるスタイルもあります。)ラグは固いくらいに織らないと何往復もその上を歩くうちに布が崩れてしまう可能性があるからです。Interweave社は前者はQx2、後者はQ/3を基本としています。クッションカバー、袋、服地などあとで加工するものも縦横しっかりと詰めて織った方が長持ちするでしょう。縦糸に比べてかなり太い緯糸を隠したくない場合、ウールなどふっくらする素材で、特に手紬や単糸を緯糸に使う場合、Q/2より隙間を開けた方が軽く仕上がります。
逆の見方もできます。例えばループヤーンを使って厚めの服地を作る場合、ループが邪魔になるから隙間を開けるのではなく、縦横きっちり寄せて織ると立体的な布に出来上がります。
数値は"Handwoven Magazine Presents The Weaver's Companion" (Interweave press, 2001年)から引用しました。
アメリカ以外ではメートル法で1cmまたは10cmに経糸が何本と表示するのが基本のようですが、a)英語圏では比較的最近までヤード・ポンド法(またはインペリアル法)も使っていた、b)出版物は過去にはアメリカのものが国際的に出回ることが多かった、または英語に翻訳する時点で換算された、c)ショッピングを含めてインターネットの普及はアメリカが早かったので、当初ネットで購入できる筬はヤード・ポンド法で表示されていた、といった理由で英語圏では布の幅と縦糸密度をインチで、長さをセンチ・メートルで表現する作家が大勢います。私もその一人です。
DPIはdents per inchで1インチの筬目の数を示す筬密度、EPIはends per inchで1インチに経糸(warp ends)を何本入れるかを示す縦糸密度です。私の大きい機はほぼ恒久的に6DPIの筬が付いていて、綿の20番双糸は36EPIか42EPI、メリノの18番双糸は18EPI、カシミアの26番双糸は12EPI、15EPI、18EPI と目的ごとに変えて織ります。換算の目安は、インチ表示のほぼ2/5の数値が1cmの縦糸密度、ほぼ4倍が10cmの縦糸密度です。
Interweave社はあらゆる糸の平均的な経糸密度を本にして売ってもいますが、密度は比較的簡単に割り出せるものですのでここでご説明します。
物差し又は硬い紙などに1-5cmの目盛りを書いたものに、経糸に使いたい糸を巻きます。どれ位しっかり又はゆっくり巻くかが鍵となるので、落ち着いて同じ調子で、両隣にぴったりくっ付いて並ぶけれど も窮屈でないよう心掛けてください。
細い糸なら2cm度、太い糸なら3cm~5cm程度巻くと、巻き方が少し不均等でも平均値が出ますので安心です。また写真のように太さが不均等な糸も長めに巻くと平均値が使えます。面倒でなければ長めに巻くことお勧めします。
XcmでY周したらY/Xが1cmあたり何周するかわかります。これをQとしましょう。上の例では2cmで11本、Qは5.5、私にとっては1インチでほぼ12周、Qは12です。
平織は一番頻繁に縦糸と緯糸が交差しますので縦糸密度の一番ゆるい織、基本はQ/2で、この例では1cmに2.5本、もしくは10cmに24本あたりでしょう。私は6EPIから試織します。綾織 (twill) の基本は2:2の綾 (2本上がって2本下がる)でQの2/3ですが、綾の割合が大きくなるにつれ、(例えば3:5)、 交差する頻度が減るので縦糸密度を高くします。上の例では単純に計算するだけですと、2/2なら1cmに3本位、もしくは10cmで32本位、私は8EPI位から試織です。
ところが、ここからが個性の出しどころなんです。素材、形状、用途、大きさ、機、組織の種類を考慮に入れて縦糸密度を微妙に変えることにより、個性的なものが織れるんです。最適な縦糸密度を算出するには試織が一番ですが、デザインをする過程で何を作るのか、どういった仕上がりを想定しているかを少し考えるだけでイメージ・アイディアが浮かんでくるはずです。
たとえば縦糸をびっちり詰め緯糸が隠れるように織るラグのスタイルがあります。(経糸を隙々に入れ横糸をしっかり、ばっちり入れるスタイルもあります。)ラグは固いくらいに織らないと何往復もその上を歩くうちに布が崩れてしまう可能性があるからです。Interweave社は前者はQx2、後者はQ/3を基本としています。クッションカバー、袋、服地などあとで加工するものも縦横しっかりと詰めて織った方が長持ちするでしょう。縦糸に比べてかなり太い緯糸を隠したくない場合、ウールなどふっくらする素材で、特に手紬や単糸を緯糸に使う場合、Q/2より隙間を開けた方が軽く仕上がります。
逆の見方もできます。例えばループヤーンを使って厚めの服地を作る場合、ループが邪魔になるから隙間を開けるのではなく、縦横きっちり寄せて織ると立体的な布に出来上がります。
数値は"Handwoven Magazine Presents The Weaver's Companion" (Interweave press, 2001年)から引用しました。
2014年12月21日日曜日
2014年12月13日土曜日
4枚綜絖 ドラフト 綾(Twill)
2012年のポストです。一連のドラフトに関連したポストをすることになった発端はその年の6月に母が「Eさんが綾を始めた」と話してくれたことでした。私が勢い込んで「それなら次はUndulatingね。でもあれは両方向にすると面白いわよね。」といったら、電話の向こうから無言のハテナ印。というわけでいつも通り数枚ドラフトを紙に出して送ったのですが、それをここでご紹介します。
杉綾:通しで柄を出す場合
杉綾:踏み方・持ち上げ方で柄を出す場合
杉綾:両方で柄を出す場合:通しと踏順と両方で柄を作ると、形を作ることできます。ここでは綜絖通しと踏順を同じにしました。
では、英語でUndulating とかUndulated Twillと呼ばれている、波打つ綾です。
波打つ綾:通しで柄を出す場合
波打つ綾:踏み方・持ち上げ方で柄を出す場合
波打つ綾:両方で柄を出す場合 いろいろ
(最後のドラフトは経糸、緯糸の交差が少なくskip/floatが長いので、とても細い糸で織るとか、壁掛けなどの装飾品を織るとか、ドラフトに更に手を加えるとかが必要です。)
杉綾:通しで柄を出す場合
杉綾:踏み方・持ち上げ方で柄を出す場合
杉綾:両方で柄を出す場合:通しと踏順と両方で柄を作ると、形を作ることできます。ここでは綜絖通しと踏順を同じにしました。
では、英語でUndulating とかUndulated Twillと呼ばれている、波打つ綾です。
波打つ綾:通しで柄を出す場合
波打つ綾:踏み方・持ち上げ方で柄を出す場合
波打つ綾:両方で柄を出す場合 いろいろ
(最後のドラフトは経糸、緯糸の交差が少なくskip/floatが長いので、とても細い糸で織るとか、壁掛けなどの装飾品を織るとか、ドラフトに更に手を加えるとかが必要です。)
2014年11月15日土曜日
ドラフト入門 3. 種類
英語・スウェーデン語の織の本で見かける数種の表現法をお見せします。
私のソフトでできるのは北米式とでも言いましょうか。Interweaveの本もすべてこの方式です。綜絖の上げ方が上から下に記入されているので、機の上に現れる布には柄が逆さまに出てきます。
スウェーデンの本に使われてるドラフトの賢いところは、ドラフト上で柄を表している部分が機の上に現れる布と同じように見えるところです。アマチュアの世界では日本には北欧で織りを習われた先生方がかなりがおられるようで、日本の出版物ではこれが主流だと母に聞いています。踏順を下から上に読んでいくわけですが、慣れてしまえば読みやすく、使 い易い方式です。ドラフト・ソフトによって、スウェーデン式も出せるものもあります。
以前は出版物にも手書きのドラフトが多数掲載されていました。使われている記号がOだったりXだったり|だったり、ただ数字が並んでいたりといろいろです。
編物の本も同様ですが英語の本が織の組織を言葉で表現も、何度読んでも全く頓珍漢で、結局郵便切手大のサンプルをじーっと見つめて分析なんていうこともあります。図解が上手く沢山使われている日本の編み物・洋裁・手芸の本が海外で爆発的な人気なのも当然ですよね。言葉が分からなくても一目瞭然。スウェーデンの織の本も細かい注意書きが分からないのが気にならなければ然りです。
ところで2004年以来古いヨーロッパの文献を中心に、アメリカ式ドラフトにして掲載しているサイトをご存知ですか?アリゾナ大学のRalph Griswald教授と、コンピューター・エンジニアのKris Brulandが別々の場所で違う目的で始めたサイトを、Griswald教授が亡くなった後Krisがまとめたものです。今では世界中のボランティアが参加してドラフトやレース編みの柄の保存を目指しています。
私のソフトでできるのは北米式とでも言いましょうか。Interweaveの本もすべてこの方式です。綜絖の上げ方が上から下に記入されているので、機の上に現れる布には柄が逆さまに出てきます。
スウェーデンの本に使われてるドラフトの賢いところは、ドラフト上で柄を表している部分が機の上に現れる布と同じように見えるところです。アマチュアの世界では日本には北欧で織りを習われた先生方がかなりがおられるようで、日本の出版物ではこれが主流だと母に聞いています。踏順を下から上に読んでいくわけですが、慣れてしまえば読みやすく、使 い易い方式です。ドラフト・ソフトによって、スウェーデン式も出せるものもあります。
以前は出版物にも手書きのドラフトが多数掲載されていました。使われている記号がOだったりXだったり|だったり、ただ数字が並んでいたりといろいろです。
編物の本も同様ですが英語の本が織の組織を言葉で表現も、何度読んでも全く頓珍漢で、結局郵便切手大のサンプルをじーっと見つめて分析なんていうこともあります。図解が上手く沢山使われている日本の編み物・洋裁・手芸の本が海外で爆発的な人気なのも当然ですよね。言葉が分からなくても一目瞭然。スウェーデンの織の本も細かい注意書きが分からないのが気にならなければ然りです。
ところで2004年以来古いヨーロッパの文献を中心に、アメリカ式ドラフトにして掲載しているサイトをご存知ですか?アリゾナ大学のRalph Griswald教授と、コンピューター・エンジニアのKris Brulandが別々の場所で違う目的で始めたサイトを、Griswald教授が亡くなった後Krisがまとめたものです。今では世界中のボランティアが参加してドラフトやレース編みの柄の保存を目指しています。
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