ご無沙汰しています。(このブログでは何度このご挨拶でポストを始めたことでしょう。)
今年の冬と春は織はあまりしなかったのですが、ヨシコ・イワモト・ワダ先生がNelsonに見えて3日間のワークショップを開催されたので、その前後絞り染めの練習をしていました。絞りの専門用語が日本語、英語で飛び交って私のノートもぐちゃぐちゃなのですが、西洋人がどうやって絞りを使うか、どれくらい日本的なものを目指すか、あるいは絞りの手法を使いつつ個性的な物を作るか、興味深い経験でした。染料は自然と人工の藍のみ、濃度が三種類ありました。
手織りカシミア・スカーフ・サンプル、刀。右と中央がスカーフをくるんだ綿布、左がカシミアです。縫い目は工業用ミシンを初めて使いました。近くで見ると経糸のグレー二色のコントラストが見えます。
日本製機械織り絹スカーフ、地模様は大柄の牡丹。
ラオス製製手織り絹スカーフ、CD Rom板締め。地は紅茶色。
日本製機械織り絹スカーフ、CD Rom板締め。地模様はちょっと変った唐草模様。
私自身は絞りの手法と織柄のデザインを重ね合わせて、たとえば波だの丸い柄だのを引き立てるようなものを作りたいと思いました。でも、染めはまだまだ入門のちょっと手前で、誰かがすべてを準備してくれると手を出す勇気が出てきますが、自宅ですべて準備するとなると気後れします。
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今年、妹が陶芸のお稽古を始めました。母は長年使えるものでちょっと変ったものを集めてきましたが、妹の義母は小さな美術館が開けるくらい良い物をたくさん集めておられるそうで、妹はお稽古に行っている年月よりはるかに造詣の深い話がします。妹は私の7歳年下で、性格も好みも人生経験も同じ両親の子かと疑うほど全く違って生きてきたのですが、ここに来て物を作る話でとても刺激的な会話ができる相手変身してしまいました。
数年母と、妹も子育てに一段落着いたら手織りをすればいいのにと話してきましたが、違った視点で物作りを語れるという点で、手織りでなく陶芸を始めてくれてよかったと思います。(それに、アイツは何でもすぐに上手になってしまうので、手織りを始めたら私より数段上手になっていただろうから私も姉の誇りを保てました。)
陶芸でも私はどちらかというと薄い硬いもの、あるいは砥部が、妹はごつごつしてそれこそ作者の手や指の後の残っていそうなものが好きです。妹が手織りを始めていたら手織りらしい不規則な風合いの物が好きになっていたかもしれないと想像しつつ、また妹と話をするのを楽しみにしています。