2014年12月23日火曜日

縦糸密度(Sett)の例

私が縦糸密度を一番研究するのはカシミアですので、古ーい試織の端切れを少しお見せしようと思います。試織ですので、緯糸が飛び出していたり、経糸に結び目があったりと、「個性的」ですが、説明には差し支えないと思います。縦糸はすべてカシミア100%の26番双糸です。
縦糸が密な部分が12EPI、隙々の部分が6EPIの平織ですが、洗った後の特に緯糸のふっくら具合にご注目ください。
左が15EPIで平織、右が12EPIでほぼ平織です。左はカシミアの繊維が広がっていないのでつるんとした感じ、右はふんわり、ホンワカした感じです。
両方15EPIで左は平織、右は1:3と3:1の綾(twill)です。左は薄っぺらい感じ、右は肉厚な感じがします。この右のサンプルは、上の右のサンプルと同じような糸を使いましたが、カシミアの繊維の広がり具合は全く違うのもご覧ください。
これは同じ経糸で3本織った時のサンプルです。綾(twill)が不規則なのと、出来上がり幅が太めだったのでしっかりしたものを織りたいと思い、18EPIにしました。目の細かい左の、特にカシミア・シルク混紡を使った下の部分が少し筋っぽい感じがします。右は最終的には20番双糸の緯糸を使ったように記憶します。
この2本は今までになく幅広だったのと、過去にウールや綿で織っていた柄を使ってみたかったので18EPIと15EPIと両方試織しました。ここでは左が15EPI、右が18EPだったように記憶します。
最後になりましたが、両方とも12EPIで2/2の綾(twill)です。左は経糸緯糸が両方ともふっくら広がり空気のように軽い布に出来上がりました。右は初めてカシミアを試織した時のもので、12EPIがあまりスカスカだったので緯糸を詰めすぎてしまいました。また、仕上げ洗いの温度が低すぎ、繊維がきちんと広がりませんでした。

ということで次回は仕上げ洗いのお話をしましょう。

2014年12月22日月曜日

縦糸密度(Sett)について

筬の目に経糸を一本づつ入れていく場合は筬密度と同じことになりますが、そうでない場合もありますのでここでは縦糸密度としましょう。英語ではtが二つのsettと呼びます。

アメリカ以外ではメートル法で1cmまたは10cmに経糸が何本と表示するのが基本のようですが、a)英語圏では比較的最近までヤード・ポンド法(またはインペリアル法)も使っていた、b)出版物は過去にはアメリカのものが国際的に出回ることが多かった、または英語に翻訳する時点で換算された、c)ショッピングを含めてインターネットの普及はアメリカが早かったので、当初ネットで購入できる筬はヤード・ポンド法で表示されていた、といった理由で英語圏では布の幅と縦糸密度をインチで、長さをセンチ・メートルで表現する作家が大勢います。私もその一人です。

DPIはdents per inchで1インチの筬目の数を示す筬密度、EPIはends per inchで1インチに経糸(warp ends)を何本入れるかを示す縦糸密度です。私の大きい機はほぼ恒久的に6DPIの筬が付いていて、綿の20番双糸は36EPIか42EPI、メリノの18番双糸は18EPI、カシミアの26番双糸は12EPI、15EPI、18EPI と目的ごとに変えて織ります。換算の目安は、インチ表示のほぼ2/5の数値が1cmの縦糸密度、ほぼ4倍が10cmの縦糸密度です。

Interweave社はあらゆる糸の平均的な経糸密度を本にして売ってもいますが、密度は比較的簡単に割り出せるものですのでここでご説明します。
物差し又は硬い紙などに1-5cmの目盛りを書いたものに、経糸に使いたい糸を巻きます。どれ位しっかり又はゆっくり巻くかが鍵となるので、落ち着いて同じ調子で、両隣にぴったりくっ付いて並ぶけれど も窮屈でないよう心掛けてください。

細い糸なら2cm度、太い糸なら3cm~5cm程度巻くと、巻き方が少し不均等でも平均値が出ますので安心です。また写真のように太さが不均等な糸も長めに巻くと平均値が使えます。面倒でなければ長めに巻くことお勧めします。

XcmでY周したらY/Xが1cmあたり何周するかわかります。これをQとしましょう。上の例では2cmで11本、Qは5.5、私にとっては1インチでほぼ12周、Qは12です。

平織は一番頻繁に縦糸と緯糸が交差しますので縦糸密度の一番ゆるい織、基本はQ/2で、この例では1cmに2.5本、もしくは10cmに24本あたりでしょう。私は6EPIから試織します。綾織 (twill) の基本は2:2の綾 (2本上がって2本下がる)でQの2/3ですが、綾の割合が大きくなるにつれ、(例えば3:5)、 交差する頻度が減るので縦糸密度を高くします。上の例では単純に計算するだけですと、2/2なら1cmに3本位、もしくは10cmで32本位、私は8EPI位から試織です。

ところが、ここからが個性の出しどころなんです。素材、形状、用途、大きさ、機、組織の種類を考慮に入れて縦糸密度を微妙に変えることにより、個性的なものが織れるんです。最適な縦糸密度を算出するには試織が一番ですが、デザインをする過程で何を作るのか、どういった仕上がりを想定しているかを少し考えるだけでイメージ・アイディアが浮かんでくるはずです。

たとえば縦糸をびっちり詰め緯糸が隠れるように織るラグのスタイルがあります。(経糸を隙々に入れ横糸をしっかり、ばっちり入れるスタイルもあります。)ラグは固いくらいに織らないと何往復もその上を歩くうちに布が崩れてしまう可能性があるからです。Interweave社は前者はQx2、後者はQ/3を基本としています。クッションカバー、袋、服地などあとで加工するものも縦横しっかりと詰めて織った方が長持ちするでしょう。縦糸に比べてかなり太い緯糸を隠したくない場合、ウールなどふっくらする素材で、特に手紬や単糸を緯糸に使う場合、Q/2より隙間を開けた方が軽く仕上がります。

逆の見方もできます。例えばループヤーンを使って厚めの服地を作る場合、ループが邪魔になるから隙間を開けるのではなく、縦横きっちり寄せて織ると立体的な布に出来上がります。

数値は"Handwoven Magazine Presents The Weaver's Companion" (Interweave press, 2001年)から引用しました。

2014年12月13日土曜日

4枚綜絖 ドラフト 綾(Twill)

2012年のポストです。一連のドラフトに関連したポストをすることになった発端はその年の6月に母が「Eさんが綾を始めた」と話してくれたことでした。私が勢い込んで「それなら次はUndulatingね。でもあれは両方向にすると面白いわよね。」といったら、電話の向こうから無言のハテナ印。というわけでいつも通り数枚ドラフトを紙に出して送ったのですが、それをここでご紹介します。

杉綾:通しで柄を出す場合
杉綾:踏み方・持ち上げ方で柄を出す場合
杉綾:両方で柄を出す場合:通しと踏順と両方で柄を作ると、形を作ることできます。ここでは綜絖通しと踏順を同じにしました。
では、英語でUndulating とかUndulated Twillと呼ばれている、波打つ綾です。
波打つ綾:通しで柄を出す場合
波打つ綾:踏み方・持ち上げ方で柄を出す場合
波打つ綾:両方で柄を出す場合 いろいろ
(最後のドラフトは経糸、緯糸の交差が少なくskip/floatが長いので、とても細い糸で織るとか、壁掛けなどの装飾品を織るとか、ドラフトに更に手を加えるとかが必要です。)

2014年11月15日土曜日

ドラフト入門 3. 種類

英語・スウェーデン語の織の本で見かける数種の表現法をお見せします。
私のソフトでできるのは北米式とでも言いましょうか。Interweaveの本もすべてこの方式です。綜絖の上げ方が上から下に記入されているので、機の上に現れる布には柄が逆さまに出てきます。
スウェーデンの本に使われてるドラフトの賢いところは、ドラフト上で柄を表している部分が機の上に現れる布と同じように見えるところです。アマチュアの世界では日本には北欧で織りを習われた先生方がかなりがおられるようで、日本の出版物ではこれが主流だと母に聞いています。踏順を下から上に読んでいくわけですが、慣れてしまえば読みやすく、使 い易い方式です。ドラフト・ソフトによって、スウェーデン式も出せるものもあります。

以前は出版物にも手書きのドラフトが多数掲載されていました。使われている記号がOだったりXだったり|だったり、ただ数字が並んでいたりといろいろです。
編物の本も同様ですが英語の本が織の組織を言葉で表現も、何度読んでも全く頓珍漢で、結局郵便切手大のサンプルをじーっと見つめて分析なんていうこともあります。図解が上手く沢山使われている日本の編み物・洋裁・手芸の本が海外で爆発的な人気なのも当然ですよね。言葉が分からなくても一目瞭然。スウェーデンの織の本も細かい注意書きが分からないのが気にならなければ然りです。

ところで2004年以来古いヨーロッパの文献を中心に、アメリカ式ドラフトにして掲載しているサイトをご存知ですか?アリゾナ大学のRalph Griswald教授と、コンピューター・エンジニアのKris Brulandが別々の場所で違う目的で始めたサイトを、Griswald教授が亡くなった後Krisがまとめたものです。今では世界中のボランティアが参加してドラフトやレース編みの柄の保存を目指しています。

ドラフト入門 2.解説

もっと簡潔にドラフトを説明したものがネット上どこかに存在するはずですが、とりあえずご説明いたします。

4枚綜絖で、平織を織る場合、(もちろん2枚だけ使って織ることもできるわけですが)、たとえば下記のように織ることができます。共通して経糸は赤、緯糸は緑を使いました。

足踏機(Floor loom又はfoot loom)用のドラフト 
足踏機の場合、Tie-up planと呼ばれる、四つの構成要素からなるドラフトを使います。

Aは綜絖通し、経糸の通し方です。一般的に機の手前、織り手にいちばん近い綜絖枠(shaftあるいはharness)から綜絖枠1、次が2、更に3、4とし、ドラフトでは最下段から綜絖枠1、2、3、最上段が綜絖枠4です。このドラフトでは布の右端から一本目の糸を綜絖枠4、二本目を3、三本目を2、四本目を1の綜絖(heddle)に通します。

Bはタイアップ(tie-up)、踏板(treadle)と綜絖枠の関係を表します。縦に一番左(内側)の行が踏板1、次が2、更に3、4を示しますが、実際機の一番左の踏板を1としなくてはいけないわけではありません。踏板を歩くといって、左右の足で交互に踏むのが体に良いとされていますので、機の中央にある踏板二本を1と2と名付けて織られると良いでしょう。又、機によって選ばれた綜絖枠が上がる機と下がる機がありますが、私の機は上がりますので、このドラフトでは踏板1を踏むと綜絖枠1と3が上がります。

Cは踏順(treadling)、タイアップと同じく左(内側)から踏板1、2、3、4を示し、通常上から織ります。このドラフトでは踏板2、踏板1、と順に踏んでいきます。

Dは組織図、A, B, Cによって布の組織が決まり、その結果作られる布の組織、経糸と緯糸の関係を表しています。組織図の最上段を見ますと、踏板2によって綜絖枠2と4が上がり、この二枚の綜絖枠に通されている経糸、(右から一本目、三本目等々)は上がり、その部分は赤い経糸、これ以外の綜絖枠、1と3に通されている経糸、(右から二本目、四本目等々)は下がったままなので、緑の緯糸が見みえます。布の裏は反対の色が見えます。

卓上機(Table loom)用のドラフト
卓上機は綜絖枠を直接持ち上げますから、Dの踏順(正確に言うと持ち上げ順)に各段で持ち上げる綜絖枠が記されています。Lift planと呼ばれるドラフトです。Dの左(内側)から綜絖枠1、次が2、更に3、4ですので、このドラフトでは最初(最上)の段では綜絖枠2と4を上げます。C組織図の最上段を見ますと、綜絖枠2と4に通されている経糸、(右から一本目、三本目等々)は上がり、その部分 は赤い経糸、これ以外の綜絖枠、1と3に通されている経糸、(右から二本目、四本目等々)は下がったままなので、緑の緯糸が見みえます。

はい、深呼吸。

綾(Twill) ドラフト
ここまでご理解いただけたら、次の綾(twill)のドラフトも読んでいただけるかと思いますが、いかがですか?

ドラフト入門 1.背景

2011年に書いたポスト4件を見直して再投稿しています。80過ぎて織を教え始めた母と、わざわざ来てくださる皆さんのために書き始めたのですが、私は日本語の織用語は知らないし、英語の織の本もまともに読まないので、全くおかしな日本語です。間違い等ご指摘・ご教示ください。

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織のドラフト(draft)というのは、織の設計図です。英語圏では割合最近までデザイナー・織手・著者・先生が好き勝手に図解していました。インターネットの発達・格安航空券などにより、織の世界でアマチュア・アート・クラフト作家のレベルでまで急速に国際交流が進み、ドラフト及び織に関するボキャブラリーの統一が自然発生的に進んできました。(ボキャブラリーについてはいまだ企業とアマチュア・小規模の作家の間、英米間、地域間で多少違いがあります。)

私は95年頃から織の情報収集を始めたのでこれ以降のことしか知らないのですが、その間以下を経験しました。

1)手織りをする女性たちがキルト、刺繍愛好者などとともにインターネット上で会話を始め、1995年には既にMajordomoでアメリカ、カナダ、イギリ ス、スコットランド、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、及び英語圏外も含めて200名近い(もっと?)参加者が毎日織りについての情報交換をしていました。インターネット上の会話は一般的にMicrosoft Windows 95の出現を機に、アメリカ以外の英語圏でも米語化に拍車が掛かり、織の会話もネット上絶対多数のアメリカ人に合わせて訳さないと話が通じないという場面もあり、自然米語化が進んだという記憶があります。ただし、 いまだにアメリカ内でも完璧に統一されているわけではないようです。

2)1990年代以来、特にアメリカ・カナダで、コンピュータ制御の家庭用の機が普及し始めるにつれ、コンピューターでドラフトを作るのが流行り始めました。ドラフトを作るソフトはいろいろありますが、異なるプログラム間でドラフトを交換出来るように共通語のWIFというファイル形態がいち早く導入され、ほとんどのソフトは独自のファイルとWIFが使えます。ちなみに2000年あたりから自家用ジャガードも出回っているようで、これがどう影響するのでしょう。

3)1980~90年代アメリカでいまだに織の本の出版を続けているコロラド州のInterweave社が絶版になった織の本を復刻したり、スウェーデンの本の英語版を出版したりと出版の世界も織の米語化が進みました。ただ、これは90年代が最盛期だったようで、Interweaveは最近は織の本はあまり出さないだけでなく、自社のものも絶版が増えています。織の自費出版は以前からかなりあったようですが、コンピュータ・インターネットの発達により出版は固より宣伝販売も著者ができますし、その本もデジタル・ダウンロードが増加、瞬時に手に入るのも嬉しい、絶版となった本をデジタル化して載せるウェブサイトが増えているのもありがたい、そして最近はヨーロッパの織の本の情報も即入ってくるのも感謝感激です。

では、具体的にドラフトを見ていきましょう。

8枚綜絖 ドラフト 応用編

スクリーンできちんと柄の見える色を選ぶと布としては魅力が欠けますが、お許しください。 切り貼りもゆらゆらも、通し方だけでなく上げ方でも、両方でもできますのでお試しください。

切り貼り
切り
張り
ゆらゆら 6種
ブロック・ウィーヴ 5種 
次のはちょっと見るととてもダサいのですが、組み換え、繰り返しなどでいろいろ遊べます。

2014年11月14日金曜日

8枚綜絖 ドラフト

次は綜絖8枚を4枚x2組と考えるブロック・ウィーブ。

英語圏では手機の基本は4枚綜絖という見方が少なくとも90年代末まで強かったのですが、源はイギリス・スコットランド・アイルランドあたりの近代の伝統から来たものではないかと思います。私が織を始めた時は既に8枚綜絖は主流、アメリカ・カナダではコンピューター制御の16枚もかなり出回っていたのですが、本となると英語圏ではまだ4枚から入るものが圧倒的に多かった気がします。それ以上となると”More than Four"などという表現も使いました。

背景はさておき、実践編。
通しの柄は何でも良いのですが、今朝は直線とM形を使いました。例によってリピート毎に空行を入れましたので、2リピートと、柄を左右対称にするための最後に一本最初と同じ1枚目に入れたものをご覧いただいています。通す時は空行は無視して続けて通してください。ここで注目は綜絖の1から4枚目は直線、(そしてそれが折り返すところがV型)、5から8枚目にはM型の二種類の綾(Twill)で通したことです。
単純に2:2で織っていくと、4枚でも織れる柄ができます。せっかく苦労して通したのに。
ところが1-4を1:3、5-8を3:1で上げていくと主に経糸色の部分、主に緯糸色の部分のストライプとなり、これは4枚だけでは簡単には織れないものに生まれ変わります。
さらに上げる順番、タイアップなどを変えていくとあらあら、良いでしょう!

伝統から抜けて5枚+3枚ですとか、2枚+3枚+3枚などブロックの分け方にも可能性はいろいろありますし、通し方、タイアップ、糸の色などに変化をつけると一見複雑に見える柄を容易に作ることができます。

どうぞお試しください。

2014年11月13日木曜日

8枚綜絖 ドラフト

もう一つ私の好きな簡単ドラフト応用法を見てください。私はスカーフやショールにはゆらゆら流れるような柄が好きなんですが、これも簡単に作れます。

たとえば次のような基本的なドラフトを作ったとします。今日は通しの1リピートを9本としましょう。赤い部分です。
これを綜絖で一枚とか三枚とかづつ後ろ(あるいは前)に動かしてい行きます。右が一枚づつ、左が三枚の例です。
少し変化がついてきましたね。このままでも構わないし、更に上げる綜絖の順もずらしていくことができます。上半分は一段階づつ、下は三段階づつずらしてみました。
いかがでしょう。この右上などは私が好きでよく使うスタイルのドラフトです。動きに合わせて糸の色を変えていっても面白いです。

今日は山型の通しと一方向の直線の上げ方で遊んでみましたが、これを反対にしたり、両方を直線、あるいは山型、谷型、MやWなどにすることもできます。

一つ大事なのは、特に直線以外を使った場合、フロート(一本の経糸が何本の緯糸の上を通過するか、あるいは一本緯糸が何本の経糸を通過するか、)の長さをチェックすることです。顔のすぐ近くに巻くスカーフに長いフロートがあるとイヤリングが絡んだりしますが、これも本数・長さだけでなく、糸の形態、細さ、密度、縮絨後の布の性質、(ウールは多少フエルト化しますが綿・絹は糸の形態によて結果が異る)も関係します。

お楽しみいただけましたか?

8枚綜絖 ドラフト

二年前に載せたものです。

8枚綜絖ドラフト

今日は母とスカイプでドラフトの話をしました。去年の三月に、風に乗る桜の花びらのドラフトを私が作り、経糸を通し、母が知人にお礼のスカーフを織ったのですが、今日はこのドラフトの再利用を検討しました。

そこでドラフトをもう一度。
ここでは経糸の通し1リピート、緯糸4リピートをご覧いただいています。(緯糸は見やすいように1リピート毎に空行を入れました。織るときは無視して続けております。)このドラフト、例えば少しだけ幅の広いものを織りたい時、もちろん少し太い経糸を使うこともできますが、意外に簡単にドラフトを変えることもできます。通しと柄を見ていくと少しだけ表現が変わるところがお分かりになりますか?
線より右の部分をもう一度左端に繰り返しても、柄が繋がっていきます。(経糸も1リピートの後に空行を入れました。通す時も蒸して続けて通します。)
足す部分が柄の中央にある場合もあれば、右のものを左にコピーしたい場合もありますし、リピートのどこかを省略して巾を狭めたい場合もあると思います。途中で表情が変わらないものでも、同じように気軽に変えられます。

この手法は再利用する部分を選ぶ際、あるいは繋ぎ目など、試行錯誤で紙のドラフトを切り貼りして目で見て確かめたい場合もありますが、通しの1リピートが長いドラフトでも気軽に目的に合わせて応用できるので、是非お試しください。

* * * * *

2011年にドラフトについて何遍かポストしました。辞書通りに極力日本語の織用語を探して書いたのですが、やはり日本の織は一筋縄ではいかない事例を何件か読んでから、それらのポストを一年ちょっと前引っ込めてしまいました。たとえば日本では綾織は単純にtwillという組織名ではなく、従来は2:1の割合だと読みました。ということでもっとお勉強をしなければいけないので、近々見直して載せなおしたいと考えています。間違え等お気づきの際は是非々々ご指南ください。