2007年12月29日土曜日

けじめ

今年一年「切れ端」にお付き合いいただきどうもありがとうございました。来年も更にきれいな布を織る努力を続けたいと思います。どうぞよろしく。

たそがれマーケット

マーケットからもう一週間過ぎてしまいました。ご無沙汰しました。

当日は朝からぐづついた天気でしたが、夕方から晴。でもとても寒かったので、ショールなんて売れないかしらなんて思っていたのですが、だめでしたねぇ。前の週に比べて人出がかなり減り、その上この日が仕事納めだった方々は皆さん忙しそうに歩き回るだけで、あまりお財布を出す人は見かけませんでした。当初予定していたとおり小物を作っておいたら売れたかなぁとも思うのですが、あの程度の人出ではやっぱりだめかしら。Meggも自分のバッグはマーケットでは売れないからがっかりするなといっていたので覚悟はできていたのですが、合計で私の小さいスカーフが1枚売れただけ。

お店の飾りつけは皆さんが気軽に触ったり羽織ったりできるように、こう、「楚々とした」のまるで反対を狙ったのですが、これは当り、皆さんかなり楽しんでおられたようです。また、友達が来たときに奥に来て座って話ができるようにアレンジしたのですが、紺色のテントが暗かったので皆さん軒先の立ち話が多く、1月18日は違う風に考えています。

マーケットは展覧会に比べ織り以外の部分の準備が大変だったのですが、一年間忙しくしてあまり友達と会う機会が無かった年の締めくくりとしては大成功でした。

彫刻家・ジュエリー作家のMike Ward氏とはネルソンのアーチスト達がどうやって協力して、売れる作品・商品を作るべきかを話しました。私の場合、旦那様が食べさせてくださるので、収入が無くてもある程度織を続けることはできるのですが、アートで知られているネルソンの産業としてどうやって物を作るか、どうやってこの産業に参加していくか、考える事がまたまた増えました。

2007年12月23日日曜日

マーケットの話の前に

クリスもクリスマス休みに突入されたのでしょう、やっと例のリボンをHandweaving.netのギャラリーに載せてくれました。リボン自体はどうでもいいのですが、もっと沢山の人がこのギャラリーに投稿(?)すると楽しいと思うので、ちょっと宣伝です。

2007年12月18日火曜日

月曜日


タグ、値段、ストックのリスト、済み。Meggのバッグ、6個か8個あったらいいなあと思っていたけど、11個借りてきました。妹と私に1個づつ欲しいけど、幸か不幸かどれがいいか決められません。

紙袋はお店にゴールドしか残っていなかったので迷う余地無く。紺の切手大の和紙にゴールドの判子で「春夏秋冬」。こういう時は日本の小物・文房具で違いをつけるに限ります。荷札も日本の両面印刷名刺用紙。

フリンジ、洗い、ミシン(2枚だけフリンジなしのスカーフ)など、後6枚仕上げが残っていて、今「ぶつ」の置いてある所が大きなショールを乾かす場所。やれやれ。

さらに新しいものは問題外ですが、何とか金曜日まで生き延びて、楽しい思いができそうです。写真が惨めでごめんなさい。

2007年12月17日月曜日

あと5日

日曜日、マーケット用に何点あるか数えたら、思っていたより数がそろっていたので、心配するのはやめにして、フリンジ、洗い、タグなどに専念することにしました。(これ、雑念を除いて眠くなるスプレーです。本当にそう宣伝していて、効くんです。)Meggのバッグも借りたら、品揃えは準備万端。でも、できたらもう大きな機2台とももう一本づつ経糸をかけて、細かい柄の小さいスカーフを数本織りたいな。

フリンジしている時は雑念が頭の中をマラソンしているのですが、昨日は二つの考えがグルグル。

一つは数年前友達のお姉さんで相当長い間陶芸をされている方と当地の陶芸家を何人か訪問し時、Royce McGlashenのスタジオでお店番をしていた女性がRoyceを「a potters' potter」と表現していたこと。その時は「陶芸家仲間に尊敬されている陶芸家」と解釈したのですが、それでは「a weavers' weaver」も居るかしら、そしてその人たちはどんなウィーバーかしら、それは手織りを買う人たちに喜ばれるウィーバーとは違うのかしら、なんて漠然と…

もう一つは大きい街と小さい町のアート・メーキングの違い。

昨日午後1時12分にはニュージーランドの人口は4,249,951人だったそうです。去年3月7日の人口調査によるとネルソンの人口は45,372人、今年の12月1日の故郷・横浜 は3,630,830人。 いくらネルソンにアーチストが沢山居るとはいえ、一年ちょい、とても小規模でアート活動をしているだけで、町のその世界の人たちとはかなり顔見知りになり、展覧会のオープニングでは立ち話をする相手もずいぶん増えました。それでマーケットの準備などしていると、大都会ではこう簡単にはいかないだろうなぁ、それとも組織・手順がしっかり出来上がっていて、もの作りをする人はそれに従って作品だけ作ればいいのかなぁ、と、ボーっと考えていました。小さい町はすべて自前ですが、気楽は気楽ですよぉ。

私の手織りがアートかどうかというのは、また別の話ですが。

2007年12月15日土曜日

たそがれマーケット

なんだか一年分の疲れを感じながら、ぐったり、のっそり、マーケットの準備をしなくてはと思うだけの、気遣わしい毎日が続いています。先週の日曜日には規定のテントを借りてきて車庫でレイアウトをあれこれ試してみたのですが、なんとなくプランができました。

要するに売る作品が足りないので、レイアウトも何も無いのですが、幸いMegg Hewlettが色とりどりのバッグを好きなだけ貸してくれるというので、最悪Meggのものを沢山売ればいいので寝不足になるほど心配する必要は無いのです。

マーケットは今日から10週間、金曜の夜に開催されるのですが、今日は両側のカフェ、パブ4件ともかなり賑っていたし、旅行者、地元の人もいろいろお店を覘いていました。ネルソンは1月中旬くらいまでは夜9時過ぎまで明るいので、ワイン片手に皆さん散歩気分。

チャールスの陶芸はぽんぽん売れていました。

みんな割りと少ない数の商品をこじんまり見せていたので、私も配しなくてよさそうなのですが、さて、どっと派手にMeggのもので人を引き寄せるか、私のもので地味にすんなり収めるか、まあ、明日の朝にでも考えます。

2007年12月5日水曜日

美しいブログ

去年のイースターにブログを始めた頃は、これをウェブのおまけの様に考えていたのですが、昨今はウェブのアップデートなんて一年に一度くらいで、こちらに専念しています。当初は写真も小さく載せ、文章の幅も小さく、見た目お上品に構成していたのですが、何せ目が悪いので何をしているのか良く見えず、だんだん幅広・拡大してきました。自分で読み返していて、叫んでいるような気がします。

以前のほうが綺麗だったなぁ、古流のお花のように楚々としていたなぁ、なんて考えすぎ?

あと17日でたそがれマーケットの準備期間が終わり、売り物があっても無くても出店しなくては、と思うとちょっとやけ気味になる反面、その後、晩夏・秋とのーんびり、地下室のスタジオで新しいもの織ろうと楽しみです。90EPIの綿かな。染かな。

それにしてもこの綿、こんな距離からでも変になったところが見えるなんて。経糸を巻いた時のテンション、織っていたときのテンションは良かったのですが、足元で布を巻いていたときに何かがおかしくなり、それを直すのにちょっと巻き戻しなんてしたので、どうしようもなくなってしまいました。やれやれ。

2007年12月4日火曜日

この、ブログというもの

私の両親が始めてファックスを買った日、17歳くらいだった弟が最初にこのおもちゃを使って見ると挙手、たまたまその日友達にお金を借りたので、その友達にお札を送信し始めました。弟はお札が見えなくなる直前に突然それを引っ張り出して、「これはなくならないよね。」と自信無さそうに再確認、一同爆笑。それにしても、電話線の反対側でこの友達が、ほぼ同時にお札が2/3に切れた「絵」を見ているという事態、摩訶不思議な気がして一家で感心してしまいました。1990年の話です。

現在両親は三台目のファックスを使っていますが、父は80、機械に強い母もそろそろ米寿で、コンピューターはやりたくないと宣言、数年前から我々三兄弟も「教えてあげる」、「買ってあげる」と言った圧力を控えるようになりました。ただ、母は外国の、特に織関係の情報は、URLを送って来てはプリントしてくれとか、メールして問い合わせてくれとか、使わなくてもテクノロジーには精通しています。

さて、2007年に早送り。

たとえば私が機の上でお馬鹿な間違えをして、どうしようもなくなっているとします。その様子を写真やビデオにとって、文字や音声と共にここでご紹介して、皆さんのお助けを乞うとしますよね。そうすると地球の何処にいらしても、ほぼ瞬時に皆さんはそれをご覧になれる、そして場合によっては、コメントやEメールを使って、言葉、リンク、写真、ビデオなどによって処方箋を送って下される。中には、恐らく一生お目にかからないだろうけど、かなり親しくなってしまうお友達もできる。

うぅーん、凄いものです。摩訶不思議です。長年水色の薄っぺらいエアメールで家族と「文通」していた私にとってはとてもありがたいテクノロジーです。

男性ファッション雑誌

時折男性用のプレゼントのご注文を受けます。ギャラリーも男性用スカーフを数点置きたいとのこと。今までもリサーチの為フランスやイタリアの映画を見に行っていたのですが、ふと思いついて情報収集に三軒ほど本屋さんを梯子してきました。ところが無いんです。

ここ10年くらいの、アメリカ或いはヨーロッパのスーツ・コートのファッションの本・雑誌を探していたのですが、NZの男性用雑誌一誌のみ、その中にスーツの写真は3枚くらいだったでしょうか。しかも20・30代の男性ばかり。ネルソンは避寒地・観光地なのでスーツ・コートにはそんなにお目にかからず、またこの類が必要な時はウェリントン、クライストチャーチ、オークランド、果てはシドニー・メルボルンまで出かける人も多いので、お店にもあまり種類がありません。

そこで最後に雑誌屋さんに行ったら、アメリカ版Men's Vogueがありました。やっぱり存在しますよね、男性ファッション雑誌。日本なんて90年代にはとても沢山出ていたように記憶しています。当地、カジュアルを極めているのはまことに結構なんですが、情報収集にこれほど困るとは思ってもいませんでした。

10月と11月号を買って帰ってきましたが、スーツ・コートはあまり出ていないし、目玉の記事に載っているお二方以外はやっぱり皆さん20代くらいで、これもだめ。結局夜ダニエル・オートゥイユ、マルチェロ・マストロヤンニなどGoogleして、写真をかき集めました。これなら女性のファッション雑誌におまけに出ている男性を狙ったほうが早かった気がします。

2007年12月1日土曜日

だめな時はだめ!!

だめな日はだめす。老体に鞭打って叱咤激励、おだてたりすかしたりしながら一生懸命織ってもどうにもならない日もあります。今週一週間そんな感じでした。もうっ!!

馬鹿みたいな間違えをして、あるいはおかしくなるのを承知であわてて仕事したりと、全く初歩的な問題ばかりです。いつになったら初心者の域を出て、もっと高いところを狙って織ができるようになるのでしょうか。

今日はこれまで。

2007年11月30日金曜日

今週の成果

日本で手織りされていると「60EPIなんて甘い!」なんて思われるかもしれませんが、慣れていないと良く見えなくって、疲れてしまいます。 リビングでは先日の2/60の綿で60EPI, 1/3・3/1の絢のストライプ、緯糸もおそろいでとてもゆるく織っています。

下のスタジオでは2/20の綿で30EPI、1インチ6目の筬でやはり絢を48PPIで織っています。上も下も幅約6インチ、長さ150cm+α。

いつもと違って、ともかく織るのに時間がかかり、長い間座っていると目が疲れて、上のはここ三日で88cm、下のは今朝60センチ織って一枚目が終わり、午後もう一枚と願いつつ、70cmで限界。このままだとマーケット、寂しくなるなあと焦りつつ、でも、織った手触りは気に入っており、早く洗ってみたいです。

2007年11月27日火曜日

たそがれマーケット

今年の個展で痛切に感じたのは、機で織るのは私の仕事の中で一番気楽な部分だということです。

以前申し上げたように、夏のたそがれマーケットに二度ほど参加することに決めたのですが、各自3m*3mの縄張りに青(紺?)のテントが乗ることになりました。先週Arts Marketingに寄った時、たまたま色違いが揚がっていたので、椅子など並べてみたのですが、縄張りは想像していたより広かったのでほっとしました。

テントの下はすべて各自持ち込むということですが、私の場合テーブル(まだ無い)、椅子(ある)、おつり、鏡などなどの他にパッケージングも必要だそうで、研究中。頭痛めるほど数は要らないのですが。

やれやれ、気休めに下の機に糸を通してきます。

2007年11月25日日曜日

織の用語

大学で勉強した言語学もそうでしたが、私は日本では織をしたことが無いので、織の日本語はほとんど知りません。どうしても日本語が必要な時は十年前まぐれで見つけた京都・織成館で、職員の方に薦められた小名木陽一氏編の「現代の織物」にお縋りするのみです。私より5年早く織を始めた母と話をしていると、母は日本語、私は英語で、第三者が聞いていたらそれこそおかしな会話に聞こえると思います。

でも英語でもいろいろあるんです。ご存知かと思いますが、まず、イギリス・スコットランド・アイルランドとアメリカでは用語が違う、アメリカのものでも古いものと新しいものでも表現が違う、寸法もイギリスの古いものとアメリカのものはインチ・ヤードの英国国定法(辞書にそう出ていました、Imperialというのですが、)英連邦の新しいもの、スカンジナビア、オランダのものはメトリック。

ニュージーランドは従来は英国の植民地で、加えてオランダ殻の移民も多いので、以前は英連邦、オランダの本や先生方が沢山入り込んでいたのですが、インターネットのお陰でしょうか、90年代半ばからは北米の情報とともにやっと北米の先生方が招かれるようになりました。

また、ここでかなり長い間織をしておられる方々とでも、原則としてHandwovenやWeaver'sで使われるほぼ米語の用語・表現で会話ができます。ただ、共通して幅はImperial、長さはメトリックで表現することが多いです。お隣オーストラリアでも同じような状況だと聞いています。

ドラフトも各々のコンピューターのプログラムだけでなく、WIFが交換できるようになって言葉が通じなくてもかなり気楽に世界の方々と織の会話ができるようになってきていますよね。北米から出てくるEリストやフォーラムも私が豆に読んでいた90年代中ごろは圧倒的に北米の女性の貢献が多かったのですが、この頃はもっと世界が広がったように聞いています。

私は小学校から高校1年の1学期まで日本の学校に行っていたので、厳密に言うと帰国子女では無く、赤い靴履いて(浜っ子ですから)出て行ったおばさんなんですが、不自然な日本語を読み返すたびに、小三の時の森先生を思い出しては机の下に隠れたいくらい恥ずかしい思いをしています。今後もよろしく。

現実

何十年かかるか分からない計画はさておき、今は先日の綿で仕事をしています。1/60の綿4色の経糸なんですが、密度を割り出すにも、糸を1インチの幅に巻くのにド近眼+老眼でほとんど手元が見えず、さらに巻いた糸も何度か数えたらその都度多少違う数字が出てしまいました。大体60-90EPI(40-60/10cm)くらいかなと感で、安易な60DPIで292本整経、電球の真下でサンプル織をしたのですが、やっぱりよく見えず、スキップばかりです。また、織りながら経糸を2本切ってしまったのですが、音も出さず緩みもせず、とてもお上品な難しいプロジェクトです。

6DPIの筬に10本づつ経糸を入れたのですが、ぜんぜん足りないようでご覧のようにストライプが!すぐに密度を直して3-4本幅広のネクタイのようなスカーフが取れても仕方が無いので、2-3本ストライプのスカーフを織ってから密度直しに再挑戦することにしました。1本目は色違いの2/60で1/3と3/1の絢の縞、スカーフの幅は機の上で5インチ弱です。

ただ、経緯2/60でのんびりゆっくり織っているとTwilight Marketに間に合わないので、2/20を数コーン買い足してこちらは下の大きな旗でさっさと織らないといけません。

2007年11月24日土曜日

Carter Smithの絞り・織と染めの関係

昨日レッドで少し前のOrnament誌(Vol 30 No 3)を読んでいて、今年はじめに米国マサチューセッツ州で開かれたCarter Smithという作家の絞りの展覧会の写真にしばし見とれていました。染めは見るのは大好きですが、今まで経糸のペイントを含めて私自身ほとんど手をつけていません。

染め以外にもスクリーン・プリント、テキスタイル・ペイント、ビーズ刺繍、刺繍、ジュエリー、帽子、お裁縫といろいろ興味を持って、いくつか初歩的な手法を習ってきたのですが、習うたびに「極めるならこれ、あるいは織」という全くall or nothingの姿勢で織を選んできました。ところがこの頃、こういった手法を取り入れて、手織りをもっとよく見せたいという欲が出てきたのです。

故意に視点を変えてきたのか、自然にそうなったのか、自分でも良く分かりませんが、いつの頃からか徐々に自分の手織りを使って、その上に何かを載せたいと思うようになりました。ただ、手織りの布はあくまでも材料で、いつもその上に載せるビーズ、刺繍、絵具が主体になるような計画ばかり立てていました。

5月のエキスポではとても暇だったので、大きな単純な織柄の上に流動的な、ビーズを含めた刺繍がしたいと、頭の中でいろいろデザインし始めたのを覚えています。この辺から欲が出てきて、織柄が単純でなくてもいいではないか、surface design、(表面、つまり色を含めた、上に載るもの)の模様が必ずしも主役ではなくてもいいはずだと考え、織柄と表面が共存するようなデザインを考え始めました。

そして昨日、異例に早い熱波でボーっと絞りの写真を眺めながら、Smith氏の絞りはすばらしいけど、私が作りたいものはるものはsurfaceとその下のものが共存以上に、お互いを引き立てなければいけないと感じました。次第に頭の中で焦点の合わないスライドが映し出され、実際にこのようなものを作るのはどんな手法でどんな順番がいいのか迷いながら、同時にその戸惑いを楽しみながら、しばしこのスライドショーを観客のように「拝見」しました。今朝落ち着いて考えてみると、昔の着物は織、染め、刺繍を巧みに重ねて何層にも面白みのある布で、改めて日本の布は豪い!!と思います。

さて、考え方・視点は思いがけなく簡単にここまでたどり着いたのですが、実際にこのセオリーに基づいて何かを作るとなると、小学校の家庭科の絞りやろうけつを思い出しながら、かなり一生懸命染めもお勉強しなくてはいけません。あぁぁぁぁ、何で19のときに友達に誘われるがまま織を始めなかったのだろうと後悔しています。こんな面倒くさい事、2・30年では到底習得できっこないのに。。。

Smith氏のサイトで、先の展覧会からの写真はここです。

PS. このポストを英語で書いていて思いました。西洋の方から見たら、絞りやろうけつを図工・美術ではなく家庭科で習ったというのは変に見えるかしらと。今でも日本では小学校の家庭科で染を習えるのでしょうか?

2007年11月21日水曜日

Handweaving.net

いつも使わせていただいているばかりなので、初めてHandweaving.net にドラフトを載せました。61268番です。載せてみて、「あぁぁぁ、こんなのたいして面白くないなぁ。」と思ったのですが、しばらくそのままにしておきましょう。

上のスクリーンプリントは色も焦点も今一ですから、是非、お茶でも入れてお煎餅でも食べながら、Handweaving.netを直接お訪ねください。

ドラフト61262番はBonnie Inouyeによるピンクのリボンです。西洋では乳癌の予防キャンペーンにこの縦位置、縦長のピンクリボンがよく使われます。日本ではいかがですか?

2007年11月16日金曜日

いつもの癖

7月に先輩に、フリンジは2本撚ってアイロンをかけると平たくなってしまうけれど3本よるときれいに立体的になると指摘され、それまでは手で撚っていたのですが、早速クリップ3本のトゥィスターを買いました。買った直後はきちんと3本撚っていたのですが、先週あわてて織った2枚の1枚目は何も考えもせずいつもの癖で2本撚り。解くのが面倒臭かったので、これはそのまま、2枚目はきちんと3本にしました。英語で「年老いた犬には新しい芸は教えられない」(You can't teach an old dog new tricks.) とよく言いますが、戌年の私、まだ習いたい芸は沢山あります。

ところでこのテーブル、大先輩スーのものですが、なんていうことは無い、テーブルの上に格子模様のリノリウムが載せてあるだけなのですが、とても便利。

2007年11月15日木曜日

M's & O's

今年の初めに入ったMarlborough Weaversでは毎年課題があり、1月の集まりで、今年はM's &O'sだと聞いていました。一年かけて何かこの組織で織り、1年の最後の集まりに持ってくるようにとの事。それって今度の月曜日なんです。

今年一年暇をみつけては、これについて読んでいたのですが、どうしてもよく分からないんです。糸の通し方は問題ないのですが、Blockがどうも腑に落ちない。一時に一部に平織り、一部にコードが出来上がっていくというのがとても複雑な気がして、どうしてもこれを土台に独自のデザインを作るところまで行かないんです。

本は7・8冊、M's & O'sの解説を読むだけではなく、手当たり次第ドラフトを見てみたり、M's & O'sで織ったサンプルを借りてきたり、努力はしたのですがどうしてもtreadlingが不可解で、昨日はさすがにグラフ用紙とペンと鋏と糊で格闘しました。いつも最後にたどり着くMarguerite Davisonのパターンの本に何種類か綺麗なドラフトがあったので、今日もそれをボーっと眺めているのですが、Davisonのドラフトはただ平織りとコードのブロックをあわせたものだけでなく、平織りのtreadingも使い、4枚6本でもっと複雑な組織にしているところが気に入りました。

さて、問題は月曜日、選択肢は4つあると思います。

1)通常の4枚のM's & O'sを使い、柄の幅を変えて織柄のチェックのようなものを作る。
2)16枚使って、主に平織りまたはコードで、クリスマスツリーのような、単純な形を8ブロックで作る。
3)本に出ているドラフトを元に何か織る。
4)M's & O'sは忘れて、ケーキを焼いて持っていく。

そういえば以前2回ほど本からそのままのドラフトを使って織ったことがあるのですが、2回ともDavisonのundulating twillsでした。ご縁のある本です。

2007年11月13日火曜日

黙祷!

言葉が出ません。綿14色、2/20が数コーン、残りは2/60です。主人が車庫から運んできてすぐに開けてしまいました。

(夜)一日中、ここから2メートルくらいのところで真っ赤なショールを織っていました。ことあるごとにこっちをうっとり見ていたのですが、手前の数色以外はとても「レインコート色」に見えてきました。あっさりすっきりした色合いです。

2007年11月11日日曜日

今年は良い年でした

金曜日の夜、陶芸の展覧会のオープニングで以前織の先生をしていた友達に「今年はどんな年だった?」と聞かれました。例によって、私は面白おかしく万年金欠病の一人漫才をご披露したのですが、落ち着いて考えてみたら実り多い年でした。

年始の個展に始まって、大小八つの展覧会に参加、地元のアート・エキスポにも参加したし、年末にはマーケットにも参加します。何よりアートに携わる友達が沢山できて、オープニングなどに行ってもほとんど必ず知っている人がいるし、物を作ることに関連した悩みや問題を解決するのに、話のできる相手に沢山出会いました。また、まだ数は数えていませんが、売ったショールの数も例年の2枚とか5枚とかではなくてひょっとすると二桁になるかも知れません。

締め切り、締め切りと、常に急かされて、以前のようにゆっくりデザインと取り組むことができなかった気もしますが、夜中でも朝までかかっても、何とかすべて申し込んだものは間に合うように作れたし、そうして急いで作ったものでも恥ずかしくなく人前に出せるようになりました。

今年もまだ7週間くらい残っていますし、その間にまだどんな冒険があるか分かりませんが、今のところ振り返って見ると、今年はとても良い年だったと断言できるのが、子供の時の五重丸のように嬉しいです。

真夏の夜の夢

来週あたり綿の糸が10kgくらい来るはずで、楽しみに待っています。

今年の夏、12月中旬から2月末まで、Arts Marketing Nelsonが毎週金曜日の夕方6時から9時に町の中央にある教会の前でアート&クラフトのマーケットを主催することになりました。毎週16人前後のアーチストがお店を出す予定なのですが、私も12月に1回、1月に1回、参加を申し込みました。

通常まじめな展覧会や町で一番まじめなRed Galleryを考慮に入れてショールを作っているので、ちょっと変わったことをしてみたいと思っていたので、楽しみです。もちろんウールやポッサムのものも持って行くつもりですが、綿で小さいスカーフなんていうのも夏らしくていいかなと考えて、涼しそうな色を500g位筒かいました。一応ほかに携帯電話用ポチェット、お財布位の大きさのポーチ、クリスマス・オーナメントなども考えていますが、洋裁は得意ではないので、最終的には楽して楽しい思いをしようと企んでいます。

2007年11月7日水曜日

リボン

「着ていただけるものを作りたい」なんて言っておきながら、実は地元のギャラリーから「見る人の目が上に行くような」巨大リボンを依頼されていたので、リファインから帰った翌日からこんなものにとりくみました。
幅22cm、13色で、天井の一番高いところは6mだから、とにかく長ければ長いほど良いということで、オープン前日の正午お届け目指してせっせと織り、最終的に長さは10.2mになりました。

「着ないから、手触りは最重要ではない」という観点から、むしろ硬めの糸で固めに打ち込んで張りのあるものがほしいと考え、またギャラリーの暗い天井に興味を引くためには明るい色を沢山使おうと思い、日頃心がけている事と正反対の方向での仕事になりました。

ただ、実際展覧会がオープンしてほかの作品も見ていると、やっぱり結局いつも通り長く平たい「きれ」を作っただけで、もしまたこのような機会があったら、もう少し非実用的なものと取り組む勇気と想像力が欲しいと反省しました。また、私には、ごわごわでぎらぎらの、着られないものは値打ちが無いので材料費程度の値段をつけたところ、スタッフ、他のアーチストの方々に「0が足りない」と指摘されたのには笑ってしまいました。手に入る一番上等な糸を使って、丁寧にデザインをし、一生懸命織っても、スカーフ、ショールは妥当なお値段がつけられないのに、なんと申し上げたらよいのか、「美術展」に展示された西洋風のぼり旗(??)は10倍でも良いそうです。やれやれ。

ウェリントン

9月の末なんていうと、「今は昔」の世界ですが、遅ればせながらウェリントンの報告です。

リファインはこれまで参加した中で一番大規模で、また、テキスタイル以外の作品と一緒の展覧会も初めてでした。リファインの趣旨は、地方の物産展と美術の展覧会の間のようなものだったので、ネルソンの有名・無名の作家に混じって、故郷・ネルソンを宣伝するというのもとても楽しい経験でした。

同時に、ウェリントンではギャラリー、ミュージアムショップを数件訪問したのですが、売り物としては手織りは現在全く人気が無く、場所によっては手織りと聞いただけで会ってもくれなかったり、価格はメリノやポッサムの工場製品と競争状態で、結果的には全滅、残念でした。ニュージーランドでは手織りというと、どうも古臭い印象が強く、日本、アメリカ、お隣りオーストラリアのように手織りの「風情」はセールス・ポイントにならず、価格が決め手になってしまいます。結果NZの手織りは、全く採算の取れるわけの無い値段か、全く売れないけれど妥当な値段か、あるいは安い材料で適当に作られたものかのいずれかに当てはまるような気がします。

NZではアート(ここでは見て楽しむ、使えない芸術)とクラフト(使える美術・工芸品)とそれらを作る人の芸術的身分が以外にはっきり区別されています。クラフトはぐぐっと数段下なのですが、それでもここ二十年くらい、特に陶芸家、その次にジュエリー作家・家具作家の方々がこの境界線を行ったり来たりして、クラフトもこのような展覧会に混ぜてもらえるようになりました。その中で私は一昔前までの手織りのメッカに、当地の売り物を売り込みに来ている外人ですから、作っているものが面白いから入れてもらえたのか、変わった人だから混ぜてもらえたのか、はたまたキュレーターの一人がウィーバーの娘さんだから、いろいろ考えてしまいます。ただ、日頃思っているように、私はもちろん展覧会で見ても頂きたいけれど、究極的には着て喜んでいただける作品を作り続けたいと思いました。

"Wave"、Katie GoldとOwen Bartlettの陶芸、Tracey Smith の衣装。後ろは左から Scilla Young マルチメディア・アート、Catharine Hodson とJanet Bathgateの絵画。

"Deep"、"Windprint"、Charles Shawの陶芸、David Haig/Lindy Harwardによる椅子。

"Bubble"と"Paua"。

2007年11月6日火曜日

どこかで見たような・・・

ブログの下書きはたまる一方ですが、仕事はしています。先週火曜日にArts Marketingから依頼があり、今週の木曜の正午までに赤いものを2枚お届けすることになり、それに取り組んでいるのですが、以下は英語でもたどたどしいのに、日本語となるとまるででたらめで、申し訳ありません。写真もちょっとへんなのですが・・・

経糸は山・谷とでも申しましょうか、MWの半分つづで、VAの形に、1から16、15から1、次に16から1、2から16と入れました。一枚目は3-1-1-3-1-1-1-1-3-1、2枚目はは3-1-3-1-1-1-1-1-1-3の絢のtie-up、treadlingはadvancing twill、そうこう(変換で出てこない!!)でいうと1-2-3-4-2-3-4-5と徐々に動いて、64 picksで1柄。1枚目はこのまま繰り返し、2枚目は多少ダブって76 picksで、今度は逆行、77 pick目は75 pick目と同じで、そのまま戻るダイアモンドです。経糸は4色、6種類のコンビでAB, BB, BC, CC, CD, and DDを規則的に入れ、緯糸は一色です。

ごちゃごちゃ書きましたが、実はなんていうことは無い、リボンの応用をしただけなんです。しかもなんとなく、しょっちゅう見ているような、面白くない作品なんです。織っている最中に悪いことばかり考えていると自然に手も狂ってくるので、なるべく深く考えないようにしているのですが、「冴えないなあ。」と文句ばかり出てきます。

リボン以来、縦でも横でも色を変える時にはそれ相当の理由が必要だと思うようになりました。ただ「縞にしたい」とか、「3-5-8-13で色を変えていくと綺麗だ」という単純な理由で色を変えるのではなく、組織にも変化があって、「ここで色が変わるから柄も変わらなければおかしい。」とか、その逆とか、柄・組織と色の変化の間に必然性があるデザインがしたいと思うようになりました。思うのは良いのですが、「言うは易し」で、何処から手を付けたらいいのか困っています。

中央と左の絢を使いました。

2007年10月16日火曜日

今年最後(??)の展覧会

いろいろお誘いはあるのですが、今年はこれ限り展覧会は参加せずに、少し中身の濃い物を織ることに精を出すつもりです。約束したまま作っていないものも多々ありまし。。。

2007年10月7日日曜日

「出会い」

そんな名前をつけました。ミュージアム・ショップのために、ウェリントンに行く前日の夜中までかかって作ったのですか、ミュージアム・ショップから却下されました。ぶ!気に入ったタパのデザインをより細い経糸で織ったものです。Re:fineへの思い入れがたっぷり織り込まれている一枚です。

ウェリントンのご報告もしなければいけないのですが、搭載したい写真に他のアーチストの作品も多数写っているので、搭載の許可を頂いているところです。もうしばらくお待ちください。

2007年9月18日火曜日

「南太平洋」シリーズ

一枚目は、細かい、繊細なタパ。裏はほとんど全面チャコール・グレーです。柄が溶け合うように、かなり荒く洗いました。
二枚目は私にしては珍しく、大胆なはっきりしたなデザインです。裏表の表情が違うのが気に入りました。
ポッサム・メリノ・シルクミックスで、かなり毛足の長い、毛布のようなショールです。
通常は同じ経糸からでも雰囲気の全く違うものを作るのですが、今回はペアでも行けるのも気に入りました。

2007年9月16日日曜日

Megg Hewlett バッグ

WOW Museumで荷物を落とした後、Megg Hewlettの家に立ち寄りました。以前私のスカーフと彼女のフエルト・バッグを物々交換しようと約束したまま、彼女の家にうかがう暇がなかったのですが、どうしても来週ウェリントンで持ち歩きたかったので、今日電話してみました。

Meggは色彩感覚が抜群で、特に明るい色の使い方がとても上手なのですが、私はやはりあまり色の混ざっていないものがほしいと思っていたら、大好きな紫のがありました。これでも紫・小豆色・ラベンダーなどが五色くらい混ざっています。

彼女のバッグは太いウール糸を編んでフエルト化したものですが、ものすごく頑丈で、以前のアート・エキスポでは、彼女のご愛用のバッグになんと赤レンガを2個入れて、その強さをアピールしていました。また、何年使ってもあまり表面が磨り減ったりせず、見劣りもしないのが特徴です。

Meggとは2008年か2009年に一緒に作品展をしようと、5月くらいから話を進めています。

遂に? やっと?

遂に本日ウェリントン向けの荷物が出て行きました。

彫刻家Grant Palliser氏、彫刻家Tim Wraight氏(顔が少しだけのぞいています、)
大工さんで3DアーチストのSam Laidlaw氏、皆さん今日は力強いボランティア。
もう背の高いものはありませんか。

明日SamとTimでウェリントンまで運搬するそうです。Samが覗いている、
後光の差している魔法の箱(??)の後ろに私の「春巻き」が乗りました。

2007年9月15日土曜日

ネルソン空港のガラスケース

ここネルソンの空港はとても小さく、2000年くらいまではカフェも日本の駅のホームの売店くらいの規模でした。ここ数年カフェは大きくしたのですが、ニュージーランドの美術工芸のメッカとして知られている割にはそういったものの販売もせず、まさに「駅」のように雑然と人々がいったり来たりする場所です。

そこに数年前地元のArts Marketing(美術工芸の推進団体のようなもの?)が、待合エリアに作者から借りてきた絵画、彫刻などをおき始め、最近は小さなガラスケースにジュエリー、陶芸、ガラスも飾るようになりました。それでも全て「硬いもの」ばかりでしたので、私には関係ないと思っていましたが、7月に声をかけられ、小さいものを数点飾ってもらうことにしました。一応Arts Marketing 経由で作品を買っていただけるはずなんですが、これはおまけみたいなもので、皆さんに見ていただくと言う宣伝が第一目的、地元のアート活動に参加すると言うのが第二の目的です。

10月の末まで、飛行機から降りて来られて右手にあたる小さなガラスケースの一番下の段に、四点ほど置いてあります。

2008年の抱負

父は学校の先生でしたので、お正月には我々三兄弟はその年の抱負と引き換えにお年玉をいただきました。三つ子の魂なんでしょうか、毎年今頃になって、次の年のカレンダーをあれこれ本屋さんで品定めしていると、それとなく抱負の下書きのようなことをしているのに気づきます。今年は殊更来年が待ち遠しいのがどうしてか考えていたのですが、昨日ふと気がつきました

私は2005年には展覧会出展一枚、特別ご注文三枚の他は好きな時に好きなものを織っていました。2006年には展覧会出展一枚、特別ご注文二・三枚、ギャラリー向けのもの数枚以外は、11月に個展の準備を始めるまでは、これまたのんびりしていました。

ところが2007年は年末まで含めてに展覧会五箇所、イベント二件、ご注文5枚、それにギャラリーの注文と、知らないうちにかなり忙しく動き回っていたんです。依頼によっては、展覧会に新しく作品を織る必要のない場合もあったのですが、(できたら織りたかったけど)、それでも「のろのろ流」の私にしては考えられないほど次から次へと織ったことになります。

その上、実際個展で作品をつるしたり、ポスターを作ったり、大きな展覧会に出展参加するためのプロポーザルを書いたり、と、たくさん新しいこともしました。

それで、9月後半に来て、多少魂がやせてきたような気がします。一枚一枚に思い入れをこめる時間がなく、作品が「薄く」見えます。そのせいでしょうか、早く来年になって、のんびり、のろのろ織る時間がほしい昨今です。

ウェリントンに行くまであと5日、その後展覧会はもうひとつだけです。春を味わうのはその後でしょうか。

2007年9月13日木曜日

Randall Darwall スカーフ

昨年10月に世界中にファンの多い Randall Darwall氏がニュージーランドに見え、30年、40年と手織りを続けておられる先輩達に混じって、私もワークショップに参加してまいりました。類を見ない独特な、色彩本位の織で知られるDarwall氏ですが、そもそも色彩を追及し始めたのが80年代に染色家の志村ふくみさんにお目にかかって、手織りの中で自分らしさをいかに出していくか考えさせらたのがきっかけだったそうです。

一年たっても、ワークショップのことを思い出したり、教室で追ったサンプルを見たり、その時のクラスメートとメールを交わしたりする度にまだわくわくしていますが、彼特有の「Dynamic Proportion」、目が自然に布の上を滑っていくような色彩の使い方は、まだうっとりするだけで、自分の作品には全く反映できません。

「南太平洋」


Re:fineの展覧会のため、「南太平洋」のテーマで数点作ってほしいと依頼され、2ヶ月ほど頭を痛めてやっと作ったシリーズの一点です。南太平洋の島々でよく見る、植物繊維をたたいて作るタパを題材にしました。裏表の雰囲気が全く違うのが気に入り、(実物では本当に違うんです、)オリジナルデザインとしては初めてデザインの再利用をすることにしました。

ところでその実物ですが、メリノ、絹とともにポッサムの毛、(昔毛皮用に飼育された動物です、)が入っていて、とてもふんわりとした仕上がりなのですが、モヘアのようなボアーっと風合いです。ただ、小さいカメラのーオートフォーカスではどうしても焦点が合わず、2台のカメラで三度ほど挑戦しましたが、いまだお店で切るような写真が取れません。ですので今日のところは織の設計図である「ドラフト」でお許しください。

2007年9月2日日曜日

Re:fine 展覧会

今月末に首都ウエリントンで「Re:fine」というネルソンのアートの展覧会が開催されるのですが、それに出展する作品を選びに金曜日に地元の画家と美術館の方々三名が見えました。遠目で見て面白いもの、海とか南太平洋のイメージのものをご希望でしたので、年初の個展の作品のほとんどと、一枚南太平洋のタパをイメージした新しいものを選んでいかれました。月曜日にプロの写真家にカタログ用の写真を撮ってもらい、2週間後に他の方々の作品と一緒に大型トラックに載せて発送です。

1年ぶりに大小いろいろな「締め切り」から開放されて、久しぶりにほっとしていたら、24時間も待たずに、10月に地元でリオープンするギャラリーの最初の展覧会に参加しないかと誘惑され、早速問い合わせしてしまいました。こういうのを「Glutton for punishment」と言います。

2007年3月4日日曜日

個展 - その2

開催中、毎日小さい機で小さいスカーフを沢山織りました。
特別なオープニング・パーティーはしなかったのですが、3日目の1月31日のウィーバーの集まりには炎天下35人ほど見えました。もちろん現物も触っていただいたのですが、作品にいたるまでのサンプルを12枚持っていった所、皆さんデザインの変化に興味を持たれたようでした。
子供の歌作家Kath Beeさんが毎週木曜日にランチタイム・コンサートを開いてくださいました。
画家でギャラリー・マネージャーのロイド・ハ-ウッド氏、もう「次回」の話をされているのですが、早くても来年半ばにしてください。

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個展 - その1

「日本語でブログを書くのはとても時間が掛かるから後回し。」と言いがかりをつけてサボっていたら、半年の時間が過ぎ、展覧会も終わってしまいました。私が手織りを始めたのはNZに来てからですので、日本語で手織りの人生を生きていないため、日本語で手織りを語るのは時間が掛かるのは確かです。が、事実は英語にしろ日本語にしろ同時多発・進行で雑居する抽象的なアイディアを読んでいただける形に変えるのは時によっては面倒くさく、加えて頭の中のもやもやを言葉に翻訳してしまうと、そのもやもやが具体化され、定着してしまい、アイディアとしてつまらないものになってしまう時もあります。もちろん、反対にもやもやが、「解決しうる段階の集合」(これでも正しい日本語の範囲内でしょうか?)に昇格する場合もあります。

いずれにせよ、私の小さな個展をご紹介します。「切れ端」英語版にはぐちゃぐちゃ、だらだらと準備段階から終わったあとの感想まで記録しましたので、ウェブの英語版の目次経由で写真だけでもご覧ください。
準備初日、西日が強いのでスクリーンを取り付けました。見えた方に休んでいただけるようにレンタルのいすも2台入れました。
最後のショールが取り付けられると、達成感が一度に感じられました。
入り口。歩道にチョークで、"Weaver -->"と書くのはちょっと恥ずかしかったのですが、三週間色や言葉を変え、ほぼ毎日書きました。
作品総数7点の小さな個展です。

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